みよし日記
屋根の上から、海がみえる現場。
海の近くは、潮風が強いので
それに対応した屋根づくりが大切
もちろん、「 屋根の葺替 」でも同じです。
まずは、屋根の調査から
【 A-1: 屋根の全景 】
遠くからみていると、一見、大丈夫そうですが、
屋根全体に 「赤い土」のようなものが、付いています。
【 A-2: 近づいてみる 】
近づいてみると、穴があいているところも..
瓦の風化が激しく、雨漏りの心配もある状態でした。
調査でとった写真を使って、お客様に説明をして、
今回は、屋根全体の取替をすることになりました。
そのあと、工事にとりかかります。
【 B-1: 屋根の養生 】
養生に使う、落下防止のネット。
(瓦屋さんの気づかいに感謝)
【 B-2: 既存屋根の解体 】
今まで使っていた瓦を、取り除きます。
【 B-3: 赤土と瓦桟 】
風化して、でてきた赤い土。予想以上に溶けていました。
このような状態を、はじめて見る方はビックリされます。
【 B-4: 風化した瓦 】
瓦のかどは、完全になくなっていました。
潮風の影響はすごいですね。
【 B-5: 防水下地 】
防水下地の作成
屋根の下地材は、台風の時など、瓦の裏側に雨水が入った場合、
最後の砦になるところなので、性能のよい材料を使って、
しっかりつくる事が大切です。
【 B-6: 瓦桟など 】
瓦桟がおわり、瓦の取付です。
ここも大切なところなので、しっかり確認。
【 B-7: 隅棟 】
大屋根の取付が終わると、隅棟(すみむね)に取りかかります。
【 B-8: 工事完了 】
最後に、本棟を作って、できあがりです。
隅棟と本棟の取り合いもキッチリできていて
満足のいく仕上がりでした。
工夫しているところなど
【 C-1: 桟を取付ける釘 】
海の近くを考慮して、ステンレスの釘(右側)を使いました。
(最近は、自分が指定しなくても瓦屋さんが自分の
判断でしてくれるので、大変たすかっています..)
【 C-2: 下地材と瓦桟 】
「ルーフテープ」と「くり抜き桟木」を使って、すき間をつくり、
台風などで雨が瓦の中に入ったとき、雨水が、釘の穴から
家の中に入りにくいように作ります。
このすき間は、ほこりなどが溜まると効果がなくなりますが、
それまでは、かなり役にたってくれるでしょう。
(実際に、水を流してテストしました)
【 C-3: 屋根しっくい 】
屋根のしっくいには、なんばんしっくいを使いました。
このとき、大切なのは、通常の漆喰のかわりに
なんばんしっくいを使うのはダメで、なんばんしっくいが
(漆喰+土)の役目をはたすように作ることが大切です。
【 C-4: 棟が屋根に重なるところ 】
これは、瓦屋さんのアイディアで、「これいいな!」って思った
ので紹介します。
棟が屋根に重なるところは、矢印の方向から雨が流れてきます。
そのとき、棟やしっくいに雨のかかりが集中しないように
トンネルをつくってくれました。
入母屋の家などで、つかう方法の応用です。
【 C-5: 棟が屋根に重なるところ、葺替前、上から 】
上から見るとわかりやすいと思います。
葺き替える前の写真で確認。
トンネルなしの場合だと、雨が矢印(黄色)の方向にいきやすいので、
棟やしっくいに負担がかかっている状態です。
【 C-6: 棟が屋根に重なるところ、葺替後、上から 】
トンネルありの場合は、矢印(赤色)のように
雨のいく方向をつくることができるので
棟やしっくいの負担が少くなると考えられます。
ただ、家の周りに木が多く、落ち葉などがたくさんある場合は
トンネルがつまってしまうので、その時は、この方法でないほうが
いいかもしれません。
【 C-7: 瓦止め 】
屋根がきれいに見えるのが好きなので、ぱっと見た時、
瓦のシーリングができるだけ見えないようにしてもらいました。
(一部、はみだしている所がありますが..)
屋根を葺き替えるときなら、このように、シーリングが
目立たないように、瓦止めをすることができます。
以上で、今回、工夫したところは終わりですが、
自分にとって、これがすべてではないと思っています。
実際、コストとのかねあいがありますが、
世の中にはもっとすごい施工方法をしている方や
屋根について、真剣に考えている方もたくさんいます。
そして、その方たちのホームページをみると
とても勉強になり、自分もがんばろうと思います。
良いものをいっぱい見て学び、それを自分のものにして
お客様のいろいろな希望に答えられるようになりたいですね。
それでは、また。
《 その他、海の近くの現場 》